CDの記憶 モーツアルト ディヴェルティメント第15番変ロ長調K.287 他 カラヤン指揮、ヴェーグ指揮
相変わらず、失われたCDの記憶をぼちぼちと掘り起こしては書いております。
今日は、モーツアルトの数多い傑作のひとつ、ディヴェルティメント第15番を2種類の演奏で。
演奏に30分以上かかる小編成の曲。というと地味に聞こえるかもしれないし「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のような有名な標題こそついていないが、隅々まで若いモーツアルトによるすばらしい音楽がぎっしり詰まっている。
一つめは、カラヤン指揮のもの。
カラヤン/ベルリン・フィルのモーツアルト演奏は、昔も今も好き嫌いが分かれる。曲目によっても評価はいろいろで、交響曲はあんなゴージャスな演奏はモーツアルトじゃないなどと言われることもある一方で、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』は劇的かつみずみずしい演奏で絶賛を博し、何かの賞も取ったのではなかったか。そういえばこの『ドン・ジョヴァンニ』のCDも消えてしまったのだった。なんてこった。
ともあれ、このディヴェルティメントK287は、カラヤン/ベルリン・フィルによるモーツアルトの成功例として定評ある演奏と言っていいのではなかろうか。特にアダージョ楽章は絶品で、聴いているとうっとりするあまり全身がとろけてしまい、近くに誰かいたら「ここは天国ですか?」とか話しかけてしまうおそれがあるからめったな場所で聴けない。
先年ヒットした企画ものCD「アダージョ・カラヤン」には収録されたのだろうか?
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),モーツァルト,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2011/05/11
- メディア: CD
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二つ目は、ヴェーグ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカの録音。これもモーツアルト好きには古くから定評ある名盤で、本当にすばらしい演奏。褒め称えようとしても「本当に」という言葉くらいしか出てこないくらいすばらしい。
このヴェーグという指揮者、もともとヴァイオリニストということだが、オーケストラを歌わせるなにか特別な力を持っているのだろうか。オーケストラの音にびっくりするほど隅々まで潤いがあり、一音一音にしなやかな生命力がこもってよく歌う。聴いているだけで生き返るような良い音だ。
このCDはディヴェルティメントとセレナードを集めたもので、上記カラヤン盤と同じK287も、もちろん収録されている。なんともすばらしい演奏である。こういう演奏を描写する日本語力がない我が身が嘆かわしい。
- アーティスト: ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ,シャンドール・ヴェーグ,モーツァルト
- 出版社/メーカー: CAPRICCIO
- 発売日: 2010/07/14
- メディア: CD
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動画を探してみたら、ヴェーグ指揮のモーツアルトがあったので一つ貼っておきます。
MOZART - DIVERTIMENTI K 136 & 137 - SANDOR ...
これ聴いてると、なんだか頭が良くなりそうな気がする。