記憶の音節

なくしたCDの記憶を書き始めました。ブログ名は某書から拝借。

動画メモ バッハ他

 自分のプレイリストとしてお気に入り動画を貼っていきます。

時々増えます。たぶん。

 

さて最初はYou Tubeさんのおすすめ機能で見つけた動画。

 いやこれは…

ちょっと言葉を失いますね。


Anne Queffélec - Bach & Händel - Live Concert - HD ...

 ケフェレックといえば、こちら↓のCDの演奏も素敵。 

バッハ名演集

バッハ名演集

 

 

次は バッハつながりで、あまりにも有名なこれ。

編曲者自身による演奏は人類の宝。


Myra Hess plays Jesu, Joy of Man's Desiring ...

 

次はアルヴォ・ペルトの「鏡の中の鏡」

この動画けっこう人気らしくて再生回数が多い。


Spiegel im Spiegel for Cello and Piano (Arvo Pärt ...

 エンデの同名の短編集とは関係あるのかな?

ひとまずここまで。

 

 

 

CDの記憶 平沢進

神様である、と聞いた。

聴いてみた。

神様だった。

 

この神様のことはまだよく存じ上げない。

もっと知りたい。しかし、

多神教の音楽宇宙に住まう身としては、悲しいかな、

すべての神様に十分な祈りやお供物を捧げることは不可能なのです。

 神様に栄光あれ。

パプリカ オリジナルサウンドトラック

パプリカ オリジナルサウンドトラック

 

  

白虎野

白虎野

 

 

余談(?)だが、筒井康隆の「パプリカ」は何度読み返しても眩暈がするほど面白く、

作者の剛腕にひれ伏してしまう。

あんなおそろしいものを書きあげた後も生存し別の作品を次々と書きあげている作家もまた、

神様なのだろう。

 

CDの記憶 モーツアルト ディヴェルティメント第15番変ロ長調K.287 他 カラヤン指揮、ヴェーグ指揮

相変わらず、失われたCDの記憶をぼちぼちと掘り起こしては書いております。

 

今日は、モーツアルトの数多い傑作のひとつ、ディヴェルティメント第15番を2種類の演奏で。

演奏に30分以上かかる小編成の曲。というと地味に聞こえるかもしれないし「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のような有名な標題こそついていないが、隅々まで若いモーツアルトによるすばらしい音楽がぎっしり詰まっている。

 

 一つめは、カラヤン指揮のもの。

カラヤンベルリン・フィルモーツアルト演奏は、昔も今も好き嫌いが分かれる。曲目によっても評価はいろいろで、交響曲はあんなゴージャスな演奏はモーツアルトじゃないなどと言われることもある一方で、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』は劇的かつみずみずしい演奏で絶賛を博し、何かの賞も取ったのではなかったか。そういえばこの『ドン・ジョヴァンニ』のCDも消えてしまったのだった。なんてこった。

ともあれ、このディヴェルティメントK287は、カラヤンベルリン・フィルによるモーツアルトの成功例として定評ある演奏と言っていいのではなかろうか。特にアダージョ楽章は絶品で、聴いているとうっとりするあまり全身がとろけてしまい、近くに誰かいたら「ここは天国ですか?」とか話しかけてしまうおそれがあるからめったな場所で聴けない。

先年ヒットした企画ものCD「アダージョカラヤン」には収録されたのだろうか?

  

モーツァルト:アイネ・クライネナハトムジーク

モーツァルト:アイネ・クライネナハトムジーク

 

 

二つ目は、ヴェーグ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカの録音。これもモーツアルト好きには古くから定評ある名盤で、本当にすばらしい演奏。褒め称えようとしても「本当に」という言葉くらいしか出てこないくらいすばらしい。

このヴェーグという指揮者、もともとヴァイオリニストということだが、オーケストラを歌わせるなにか特別な力を持っているのだろうか。オーケストラの音にびっくりするほど隅々まで潤いがあり、一音一音にしなやかな生命力がこもってよく歌う。聴いているだけで生き返るような良い音だ。

このCDはディヴェルティメントとセレナードを集めたもので、上記カラヤン盤と同じK287も、もちろん収録されている。なんともすばらしい演奏である。こういう演奏を描写する日本語力がない我が身が嘆かわしい。

  

モーツァルト:セレナード&ディヴェルティメント集

モーツァルト:セレナード&ディヴェルティメント集

 

 

動画を探してみたら、ヴェーグ指揮のモーツアルトがあったので一つ貼っておきます。


MOZART - DIVERTIMENTI K 136 & 137 - SANDOR ...

これ聴いてると、なんだか頭が良くなりそうな気がする。

 

 

CDの記憶 加古隆のピアノ

ちょっと耳にしてすぐ識別できる、独自の音の世界。

「パリは燃えているか」の頃より前はCDが出るたびに買い求め、ライブにもたぶん3回は行った。

テレビ・映画音楽の巨匠となってしまわれてからは、なんだか別の世界にいってしまわれたような気がして、それまでよりも聴くことが少なくなってしまった。

 

加古さんのCD、かなり集めたのだが前にほとんどなくなってしまった…

ここ数年取り出して聴いてなかったのは確かだが、あまりにも残念。

 

息を呑むような集中がもたらす静謐さの中に熱気と狂気を孕んだ加古さんのピアノは大好きで、聴いていると呼吸が整って五感も鋭敏になり、体調が良くなるような気がする。

 

ライブで忘れられないのは、もう大昔のことだがたしか昭和女子大学人見記念講堂でのソロ。1曲ごとに違う景色の場所に連れて行かれて、ほとんどあちらの世界に行きっぱなしだった。

さすがに昔過ぎて曲目はあらかた忘れてしまったが、「海の嵐」は忘れようにも忘れられない。

小舟が大海を静かに滑っていくかのような導入から始まって次第に激しい即興演奏となり、最後は文字通り怒涛のような、幾重にも重なる巨大な音の波が会場を呑み尽くした。その後に最初の小舟がまた現れ、静かに去っていくように曲は終わった。

他に覚えているのは『幻想行』収録の「アラビアの町」か「ナイルの源流にて」か、どちらか。助走をつけて走り始めた音の翼は気が付けば聴き手を乗せて大空へ飛翔する。砂漠を過ぎると下には白い街並みが広がる。馬をひく人々や市場。やがて、彼方に見えていた雄大な山脈が近づいてくる。

加古さんの演奏を思い出していると、そんな映像を思い浮かべないではいられない。

松本のハーモニーホールでもソロピアノを聴いた。その頃には、1曲ごとにトークを挟むようになっておられた。

 

幸いにも、一番好きなソロデビュー盤(たぶん)『L‘AUBE 夜明け』は手元に置いて時々聴いていたため無事だった。

Amazonで検索しても画像なしの中古品しか表示されない。これは大事にしなければ。

これはもう、加古さんの魅力が凝縮されたような名曲名演揃い。

ビル・エヴァンズの名曲「Peace Piece」のカバーもすばらしい。

 

何枚持っていたのか、数えてみよう。

ついでに一言コメントを。(タイトルと発売年のデータはウィキペディアから拝借)

 

L'Aube-夜明け(1983年)

 とにかくすばらしい。

 

ソロ・コンサート(1985年)

 集中力をまざまざと感じさせる名演。 

ソロ・コンサート

ソロ・コンサート

 

 

ポエジー(1986年) 

 聴いた回数ではこれが一番かも。

 

いにしえの響き 〜パウル・クレーの絵のように〜 - KLEE(1986年)

 クレーの絵に曲を付けた、加古さんならではの曲集。 

 

スクロール(1987年)

 国内の腕利きミュージシャンを集めたジャズアルバム。楽しい。  

スクロール

スクロール

 

 

KENJI(1988年)

 宮澤賢治の世界。作品の朗読を交えながら、音楽は聴き手を乗せ銀河へと走る。

賢治にインスパイアされた音楽の中でも特にすばらしいものの一つなのではないか。 

KENJI

KENJI

 

 

幻想行(1989年)

 中東風のパーカッションをフィーチャーした、シルクロードを風に乗って旅するような曲集。これ大好き。 

幻想行

幻想行

 

 

ピアノ交響詩「春 -花によせて-」(1990年)

 オーケストラとの共演。ライナーノートは池田満寿夫だったような。 

春~花によせて

春~花によせて

 

 

ESTAMPE SONORE(エスタンプ・ソノール)(1991年)

 浮世絵の美意識を音楽にしたオリジナル作品。 

エスタンプ・ソノール

エスタンプ・ソノール

 

 

アポカリプス 〜黙示録(1992年)

 モダンダンスのために書いた緊張感に富んだ音楽。これはぜひまた聴きたい。 

アポカリプス?黙示録?

アポカリプス?黙示録?

 

 

風の画集(1992年)

水の前奏曲(1993年)

ノルウェーの森(1994年)

 この3枚は共通した印象。オリジナル曲と有名曲のアレンジとが渾然一体となって一つの世界を形作っている。 

ノルウェーの森

ノルウェーの森

 

 

予感 -アンジェリック・グリーンの光の中で-(1998年)

 タイトルとジャケットのとおり。 

予感?アンジェリック・グリーンの光の中で

予感?アンジェリック・グリーンの光の中で

 

 

静かな時間(1999年)

 二胡との共演。静かな悲しみを湛えた世界。 

静かな時間

静かな時間

 

 

風のワルツ(2002年)

 NHKの番組のテーマ曲「黄昏のワルツ」他 

風のワルツ

風のワルツ

 

 

そういえば数年前、ピアニストの辻井伸行さんに作曲のコツを伝授しているところをテレビで拝見したことも思い出される。ますますのご活躍をお祈りしたい。

CDの記憶:バッハ インヴェンションとシンフォニア

聴いてよし、弾いてよし、作業BGMによし、起き抜けの頭にスイッチを入れるにも寝る前の精神安定にもよし、というほとんど万能の音楽。

じっくり聴けばシンプルな中に限りない奥深さが。

ピアノ学習用にも定番(私は最初のほうをちょっと弾いてみたことがある程度。全部弾けたら楽しいだろうなあ。)

バッハのピアノ(チェンバロ)曲は全体に作業BGM向きではあるが、パルティータや平均律は1曲が長かったり変化が大きすぎたりして作業用には重いと感じる日もある。その点インヴェンションとシンフォニアなら、各曲の適度な長さ(短さ)といい曲調の適度な移り変わりといい、最適だ。(なんでこんなことを書いているかというと、今日残業のBGMに浸かったばかりだからです。。)

ともあれそんなふうに、いろんな用途に使えて心身の滋養強壮に効く、副作用のない万能薬のような音楽なのですよ。

持っていたのはケネス・ギルバートがチェンバロで弾いた全曲盤。

演奏もチェンバロの音色もすばらしかった。また同じもの買い直そうかな。

バッハ:インヴェンションとシンフォニア

バッハ:インヴェンションとシンフォニア

  • アーティスト: ギルバート(ケネス),バッハ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2000/05/24
  • メディア: CD
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この際ピアノ盤も1枚欲しくなったけれど、たくさんありすぎてどれが良いやら。

グールドの演奏は、この曲ではちょっと癖があって素直に楽しめない感がある。

などと思っているところに発見したこの動画の演奏が割と気に入った。

しばらくこれを聴いてみるとしましょうか。

 
BWV772-801 Inventions & Sinfonias Evgeni ...

 

CDの記憶 松任谷由美 「VOYAGER」 「REINCARNATION」

ユーミンこと松任谷由美さん。

失礼ながら、音楽を聴き始めてから長いこと無関心、いやむしろ避けていた。

彼女のヒット曲によく出てくるような恋とか海とかスキーとか青春の思い出とかおしゃれな生活とかにはあまり興味がない、いやむしろ苦手感が強かったもので(汗)

 

それでもやや興味を持ったのは「時をかける少女」あたりからだっただろうか。

このお方、もしやSF好きなのか?と思ってある時ラジオのユーミン特集を聴いてみたら、予想外に良くて年来の苦手感が無事解消されたのだった。

 

というわけで、ユーミンで買ってまで聴いたのは、SF色の強そうなこの2枚。

「VOYAGER」

「REINCARNATION」

どちらも独特の野性的、宇宙的、エスパー的(?)感覚が魅力。

  

VOYAGER

VOYAGER

 

 改めて見ると名曲揃いだなあ。

ちなみに「時をかける少女」の実写版映画はいまだに未見。細田監督のアニメはなかなかよかったですね。最初に接したのはもちろん原作(筒井ファンです。)。

  

REINCARNATION

REINCARNATION

 

 こちらも良い曲が並んでいる。最後の「経る時」なんてしみじみ良いなあ。

 

記憶に残る松任谷さん情報としては、たまたまつけたラジオ番組でシャーマン(的感覚)について語っておられるのを聞いておおややはりそうか、と思ったこと、民族音楽の研究家の方が彼女の声はホーミーの発生に通じるものがあると書いているのを読んでなるほどと膝を打ったことなど。

どうも私にとってのユーミンはそういった世界の人なのだ。